自家保険 VS 取引信用保険 VS ファクタリング VS 信用状 (LC)

オプション1:自家保険

取引先が支払不能になった場合は、貸倒引当金を取り崩すことで、損失を処理します


自家保険のメリット・特徴: 

  • 長年にわたって不良債権や貸倒損失が皆無の場合、コストを最小限に抑えることが出来ます

自家保険について留意すべき点:

  • あらゆる種類の損失に備えて、社内に資金留保しておく必要があります
  • 不測の多額な損失が発生した場合、資本棄損など経営上の大きなインパクトを与えるおそれがあります
  • 取引先の信用調書購入や債権回収費用等に、多くの手間とコストを要する恐れがあります
  • 顧客に対し、慎重過ぎる支払条件を求める傾向になると、ビジネス拡大に影響がでます

オプション2:取引信用保険

売掛債権を回収できない場合の損害を、保険⾦により補償します。


取引信用保険のメリット・特徴: 

  • ①法的倒産 ②法的倒産以外の不払 ③ポリティカルリスクを填補します
  • 保険対象の年間売上高に料率を乗じて保険料を算出し、比較的低廉なコストで、大きな効果が期待できます
  • 取引信用保険による回収リスクヘッジを講ずることで、金融機関からの信頼度が向上します
  • 取引先の信用情報やリスク評価、業界動向に関する情報提供が可能です
  • 輸出債権に関しては、債権回収サービスもご利用頂けます
  • アグレッシブで競争力のある販売戦略を、安心感をもって推進出来ます
  • 信用限度額の申請は、オンラインツールを利用する事で迅速簡便に完結します

取引信用保険について留意すべき点:

  • BtoCビジネスにおける個人に対する債権保全には、ご利用いただけません

オプション3:ファクタリング

ファクタリング会社が、額面を下回る金額で売掛債権を買い取る仕組みです

 

ファクタリングの特徴: 

  • 法的倒産に対する保証履行が中心ですが、法的倒産以外でも対象となる場合があります(各社サービスに拠ります)
  • 原則的に、保証対象先与信限度額に料率を乗じて保証料を算出します
  • 一定割合を売掛債権の額面より割り引いて、期日前に現金化します
  • 債権譲渡した債権については、ファクタリング会社が債権回収します

 

ファクタリングについて留意すべき点: 

  • 取引先の新規追加や増額の都度、料金が発生します
  • 取引先の新規追加や限度額変更の都度、書類等手続きが必要になり、手間が煩雑となる可能性があります(各社サービスに拠ります)

オプション4:信用状 (LC)

バイヤーからの支払を約定通りに受け取ることを、銀行がシッパーに対して保証する制度です

 

信用状 (LC) の特徴:

  • バイヤーの債務不履行のみを、保証します
  • 金融機関より、売掛金相当額の融資を受けることが出来る場合があります

 

信用状 (LC) について留意すべき点: 

  • 手数料の他に、信用状 LC 開設コスト、事務コストを要し、費用が嵩みます
  • 信用状 LC 開設によって、開設銀行におけるバイヤーの運転資金が固定されるため、望ましい選択肢ではないケースがあります
  • シッピング毎に信用状 LC 開設手続きが必要です
  • 信用状 LC 書類不備(ディスクレ)による引受謝絶を避ける為、事務処理に手間を要します
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